就労移行支援と聞いて、どのようなイメージが湧きますでしょうか。

 人によっては、この単語自体、初めて聞いたという方もいらっしゃるかもしれません。

 ここでは、就労移行支援がどのようなものなのかを解説していきます。

就労移行支援とは?

就労移行支援とは障害者総合支援法に基づく就労支援サービスの一つです。

 もっと詳しく言えば、障害を持っている方の生産活動、職場体験等の機会の提供や、就労の際に必要となる知識や能力の向上のために行う訓練、求職活動に関する支援及び、その適正に応じた職場の開拓、就職後における職場への定着の為に必要な相談や支援を行う、施設のことをいいます。

 つまり、就労を希望する障がい者の方を支援する施設ということですね。

 他に障害のある方の「働く」をサポートするサービスとしては、就労継続支援というものがあります。

 就労継続支援及び、就労移行支援との違いに関しましては、以下のページをご確認くださいませ。

 「就労継続支援とは」

「就労移行支援と就労継続支援の違いとは?」

就労移行支援で支援できる方とは?

就労移行支援が、障害を持っている方の就労をサポートする施設だということは、お分かりいただけたかと思います。

 では、具体的にどのような障害者の方をサポートできるのでしょうか。

 以下にまとめましたので、確認してきましょう。

 対象となるのは、就労を希望しているが、単独で就労することが難しい為、就労に必要な知識及び技術の習得、若しくは就労先の紹介やその他の支援が必要な方です。

具体的には、以下の①~③に当てはまる方が該当します。

①原則18歳以上、65歳未満の方
65歳以上の方については、65歳となる前5年間、引き続き障害福祉サービスに係る支給決定を受けていた人であって、65歳となる前日に就労移行支援に係る支給決定を受けていた方に限ります。
なおこの前5年間とは、入院や、やむを得ない理由により、障害福祉サービスの支給決定を受けていなかった期間は除かれますので、その点もご確認くださいませ。

②障害や難病のある方
障害者手帳を持つ方に限定されず、以下の方々も当てはまる可能性があります。
なお、障害者手帳がない場合は、医師の診断や定期的な通院があれば利用できるケースもありますので、確認が必要です。

・身体障害者
(身体障害者福祉法第四条で規定)

・知的障害者
(知的障害者福祉法で規定)

・精神障害者
(精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第五条に規定、発達障害のある人を含む)

・難病
(治療方法が確立していない疾患その他の特殊の疾患で政令で定めるものによる障害の程度が厚生労働大臣が定める程度)

③一般企業などへの就労を希望し、就労が可能と見込まれる方

就労移行支援でできることとは?

就労移行支援事業所とは、一般企業への就職を目指す障害のある方(65歳未満)を対象として、就職するために必要となるスキルを身につけてもらうためのプログラムの実施や、就職活動のサポート、就職後の職場定着等を行う場所です。

また就労移行支援を利用できるのは、原則2年なので、この期間の間に利用者へ様々なサービスを提供することになります。

 具体的な活動内容は以下の通りです。

 ①障害者の方が一般企業に就職できるよう、トレーニングを行います

就職を希望している障害者の方からの、相談を受けながら、就労に必要な知識、能力を提供していきます。

トレーニングの手法は事業所によって様々です。

 ②利用者に合った職場を探します

就労移行支援では、利用者の得意、不得意を加味した職場探しのサポートを行います。

就職後のイメージを持っていただくために、職場見学や実習の機会を設けることもあります。

 ③就職活動のサポート

実は制度上、就労移行支援事業所が直接、職業紹介を行うことはできません。

そのため主にハローワークや障害者就業・生活支援センター等と連携をし、利用者に適している職場を探します。

④就職後も安定して働き続けるための支援を行います

社会のゴールは就職することでは、ありません。就労先で働き続けることにより、たくさんのことを吸収してくことが重要です。就労移行支援では、就職後も定期的に面談等を実施し、職場定着のサポートを行います。

以上が、就労移行支援に関する解説になります。

 開設前に、事業のあり方等について、しっかりと確認しておきましょう。