近年、就労移行支援や、就労継続支援等の障害福祉事業が注目を浴びています。

その背景には、政府が様々な制度等を投入し、事業の活発化を図っているという動きがあります。

では、具体的にどのような制度等が導入されているのでしょうか。

以下にまとめましたので、確認していきましょう。

障害者雇用率制度

従業員が一定数以上の規模の事業主は、従業員の占める障害者の方の割合を「法定雇用率」以上にする義務があります。

この義務を導入したのが障害者雇用率制度です。

そもそも法定雇用率って何?

そうお思いの方もいらっしゃるかと思います。

法定雇用率とは、「常時雇用している労働者数※」と雇用しなければならない障害者の方の割合を示したものなります。

※常時雇用している労働者とは、期間の定めがある労働者や、事実上1年を超えて雇用されている、又は雇用予定とされているもの、労働時間20時間以上30時間未満も含みます。

現在の法定雇用率は、民間企業で2.2%、国や地方公共団体で2.5%、都道府県等の教育委員会で、2.4%となっています。

この制度の対象者は、従業員が45.5人以上いる事業主です。

雇用義務を履行しなかった場合には、ハローワークから行政指導等が行われることになっています。

このような制度の存在により、障害福祉事業が今まで以上に行いやすくなっているのです。

また、今後段階的に法定雇用率を上げていく施策がとられているので、将来性も十分にあると言えるでしょう

 

障害者雇用納付金制度

障害者の方を雇用する際には、障害への配慮として、バリアフリー化等の作業施設や作業設備の整備が必要になるかと思います。

しかし、現実問題として、その整備には費用が掛かります。
そこで、環境整備を行い障害者の雇用に積極的な企業と、そうでない企業とで、経済的なアンバランスが発生してしまいます。

制度に乗っ取り、環境整備等を進めているのに、結果的に義務を履行してない企業と比較すると損をしてしまった。

それは、とても不平等ですよね。

そんなアンバランスを解消する為に導入されたのが、障害者雇用納付金制度になります。

この制度は、法定雇用率が未達成の事業主に対し、「納付金」を納める義務を課し、法定雇用率を達成している事業主に「調整金」として支給するというものです。

この制度の導入により、アンバランスは解消され、障害者雇用に関しても安定性が提供されています。

以上の制度の存在により、障害をお持ちの方を支援する事業についてもより将来性があり、安定して取り組んでいける環境が整っていると言えるでしょう。