障害や、年齢、体力等を理由として、一般企業への就職が難しい、一般企業で働くことができなくなってしまった方々を支援するのが、就労継続支援事業所です。

 障害等を持っている方を支援したい!

 そう考えた時に、就労継続支援事業所の開設も選択肢の一つになるでしょう。

では、就労継続支援事業所を開設するためには、どのような要件を満たす必要があるのでしょうか。

 要件に関して、以下にまとめましたので、確認していきましょう。

①人員基準

役職 要件
管理者 【配置数】

1人:原則として、管理業務に従事する人である事

【資格要件】

厚生労働省の基準上は特にありませんが、都市によっては、独自の基準を設けている場合がありますので、注意が必要です。

例:東京都では独自の基準を設けており、「社会福祉保険法(昭和26年法律第45号)第19条第1項各号のいずれかに該当する者、若しくは社会福祉事業に2年以上従事した者、又は企業を経験した経験を有する者、又はこれらと同等以上の能力を有すると認められる者」である必要があります。

「企業を経営した経験を有する者」(おおむね1年以上必要)という記載がある点が、就労移行支援との違いです。

サービス管理責任者 【配置数】

常勤1人以上(場合によっては 2人目以降は非常勤でも可)であり、以下のように利用者数に応じて配置することが必要になります。

利用者数(原則として前年度の平均利用者数)が60人以下の場合・・・1人

利用者数(原則として前年度の平均利用者数)が61人以上の場合・・・1人に利用者数が60人を超えて40人またはその端数を増すごとに、1人を超えて得た数以上

 例:前年度の平均利用者が105人の場合

60人を超えているため、まず2人配置。

かつ60人を超え40人(つまり100人)を超えているため、さらに1人配置

合計で3人必要となります。

 【資格要件】

サービス管理責任者については、以下のページにて解説していますので、ご確認くださいませ。

「サービス管理責任者の資格要件とは?」

職業指導員

生活支援員

【配置数】

職業指導員・・・1人以上

生活支援員・・・1人以上

商業指導員及び生活支援員の総数:

常勤換算で利用者数(原則として前年度の平均利用者数)を10で割った数

 例:前年度の利用者数平均が30人の場合

30÷10=3(小数第二位以下切捨て)

つまり職業指導員と生活指導員を合計して、常勤換算で3人の配置が必要になります。

【資格要件】

特にありません

 

常勤換算について

福祉業界の人員基準においては、しばしば「常勤換算」という言葉出てきます。

常勤換算とは、その事業所の従業員の1週間の合計勤務時間をその事業所における常勤職員が一週間に勤務すべき勤務時間(32時間を下回る場合は32時間で計算)で割ることにより、当該事務所の従業員の員数が「常勤の従業員の員数に換算して何人分か」を算出する方法をいいます。

 「常勤換算後の人数=従業員全員の一週間の合計勤務時間÷常勤職員の一週間の勤務時間」

 例:一週間の生活支援員の勤務時間が以下の場合

 従業員A(常勤)→40時間

従業員B(非常勤)→20時間

従業員C(非常勤)→30時間

従業員D(常勤)→40時間

 (40+20+30+40)÷40=常勤換算3.25人

 

②設備基準 

役職 要件
訓練・作業室 訓練または作業に支障がない広さを有し、必要な機械機器等を備えること。

厚生労働省の基準では広さについて具体的な数字はありませんが、おおむねどこの都道府県でも「利用定員×3㎡」の広さを有する必要がある、というのが一つの指針になっています。

相談室 間仕切り等を設けること

間仕切りに関しては都道府県によって判断が様々です。パーテーションで良い場合もあれば、個室でなければならない場合もございます。

 以上が、就労継続支援事業所を開設する為の要件になります。

また以上の要件に加えて、就労継続支援事業A型、B型でそれぞれ追加要件がありますので注意が必要です。
追加要件については、以下のページにてまとめていますので、よろしければご確認くださいませ。

「就労継続支援A型事業所となる為には?」

「就労継続支援B型事業所となる為には?」

詳しい要件は各都道府県によっても違いがありますので、よく確認することが重要です。